クルラーナ【海七】

2.クルラーナ:寒い、冷たい(埋もれる 息 猫)/海七

小野木家の猫になる夢を見た。ルーシーとも七緒とも異なる名で呼ばれていて、夜に海斗の布団へ潜り込み、朝はざりざりの舌で鼻先を舐めて起こした。「いてぇよ」と苦笑してこちらの頭をなでた手つきの、なんと優しかったことか。
「メッハー。今日も寒いね」
駅の近くで会った海斗は、半分顔が埋もれるように巻いたマフラーの隙間から「おう」とぶっきらぼうに返す。夢の中とのこの違い。
「ねーかっちゃん、手ぇ繋ぐ?」
「は?! なんでだよ」
手袋忘れちゃった、と手のひらを見せたら盛大にため息をつかれた。しかしすぐ、自分がつけていたものを外して片方ずつぽいぽいと投げて寄越される。
「後で返せよ」
海斗はそう言い残して、そそくさ駅へ向かってしまった。
手袋に残った体温は熱くてしびれる。あのまま、猫になりたいと思わなくてよかった。

fin.

200503
「猫になる夢を見た」から思いついて書きました。「寒い」なので冬の、白い息とかも考えてた。夢を見たなら朝かな、一緒に電車乗ってるシーンはあったけどさすがに毎朝一緒ではないかな、電車に乗る時間帯が同じなのかな、駅で会ったら一緒に電車乗ってるのかな、って連想していった感じです。付き合ってる要素が欲しかったので手を繋ぐ提案、理由は手袋を忘れた、って考えてたらそういうときかっちゃんは素直に手を繋ぎはしないけど自分のを貸してくれるというシーンが見えたので、あ〜〜〜そういうとこ〜〜〜!!!って思いながら書きました。考えたっていうか見えたから書いた感じ。余談ですがスピッツの「猫になりたい」みたいな自カプも好きです。

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