22.サブリエ:砂時計(散る 日記 庭)/マサ静
『最近は桜が散ると、突然夏になる気がします』という一文で、活動日誌は締められている。もとは持ち回りで担当していた日誌だが、部員数が増えた関係で去年から部長の静弥が代表して書くことになっていた。たまに湊や海斗が代筆したり、遼平や七緒の他愛ない落書きが加えられている。
はじめは事務的な素気ない内容だったやりとりも、時間や関係性の変化と共にやわらかくなり、いまではちょっとした交換日記みたいな趣きがあった。グラデーションのように変化する自分たちのやりとりは、アナログだからこそ積み重ねられ、ふれることができる。
増えていくページ数に、残された時間も想う。次に校庭の桜が咲くころ、彼らはもうここにいないのだ。
「だめだって、いつも言ってるのに」
「なら二人きりになるなよ」
受け渡し時にこうしてキスできるのも、あと何回なんだろう。
fin.

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