イズディヤード【湊静】

1.イズディヤード:成長(祝う 階段 足踏み)/湊静

いいなぁ静弥はなんでもできて。昼休み、古文の宿題を見てもらいながら遼平が感嘆する。
「知ってる言葉に別の意味があったって学ぶのは楽しいよ。ちなみにここの”いはふ”は祝うじゃなくて大切にするって意味」
「うげ」
たしかに湊が静弥に「教えた」のは、弓に関する細かなことくらいだ。しかし射法を教わったときでも静弥はスムーズにこなしていて、少しがっかりしたのを覚えている。湊自身は、足踏みの段階で体重移動がよくわからず四苦八苦したものだから。
あれはあれで、階段を駆け上る様子を見ているようで危なっかしくもあった。それに静弥だって、本当になんでもできるわけじゃない。
視線がかち合って、静弥のほうから慌てたように逸らされた。だっておれたちは昨日まで、舌を絡めるキスの仕方も知らなかったのだから。

fin.

200501
ワードパレットをするとき毎回各単語の意味や語源などを改めて調べるところから始めるのですが、祝うを調べていると伊勢物語の和歌にたどり着いたためそれで古文の宿題という発想になりました。「渡つ海のかざしにさすといはふ藻も 君がためには惜しまざりけり」を訳しているという細かすぎて特に求められていない設定。あと遼平は午後の授業の宿題が終わってなくて昼休みに訊きにきてる。階段とか成長については前に書いたことがある表現だったのでそこを被らないように。あと足踏みはせっかくだしと思ってわりと無理やり弓と絡めました。「知ってる言葉に別の意味があった」という静弥くんのセリフも「昔から知ってるお互いの、知らない一面が見えた」出来事を暗に示してる感じ。

送信中です

×

※コメントは最大1000文字、5回まで送信できます

送信中です送信しました!