カロケリ【くらりょ】

初夏の夕焼けは、夜の境目が曖昧だ。昼の名残の水色と、ぼんやりとしたピンク色。
蛍観賞会、というカーラジオのCMにまんまと乗せられ、行ったことのない森林公園へと車は向かっていた。運転しているときの倉持は、いつも以上にフットワークが軽くなる。
「蛍って、大人になったらもう何も食べないんだって」
子どものころに食べた栄養だけで生き、それが尽きると死んでしまう。幼いころ見た蛍の姿より、その知識のほうが印象深かった。きれいなものは、すこしだけさみしい。
「へえ、俺蛍じゃなくてよかった。亮さん博識っすね」
さっぱりとした物言いを好きだと想う。大人になっても、こうしてお互いを分け合うみたいに一緒にいる。子どものころより、ずっと貪欲に。
俺も、蛍じゃなくてよかった。言葉にはできない、熱のないひかりが心の中に灯る。

fin.

190709
7 カロケリ(夏)リクエスト:くらりょ
蛍を自然に登場させるのが本当にむつかしかった!!そのため徒歩→電車→車と移動手段が変わったのであった。いろいろあった会話を削って削って最後に残ったのが不穏な話っていう。最初は空の色と亮さんの髪の色がいっしょとかそういう話もしていた。
水の使い方を迷った挙句空の色に逃げる。蛍は水がきれいな場所にしかいないとかそういう話をしてたんだけど~~~。亮さんちは小さいころにいろんなこと体験させてそうなので蛍も見てるんじゃないかな。豊かな情操教育をしていそう。あと「かわいそう」とか同情しない倉持くんがいいよなっていうところも萌えポイント。

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