プリンシピオ【くらりょ】

走れ、と聞こえた。ノーサインの練習試合はめずらしくない。次の打者はバントの構えをしている。
この、打席にいる気難しい先輩が当時はまだ苦手だった。とにかくキツい性格。怒鳴ったりはしないけれど、笑顔でさりげなく刺す物言い。盗塁失敗なんてしようものならあとで何を言われるか。
だからてっきり送りバントだと思っていたのに、たしかに聞こえたのだ、声が。結果的に決まったバスターエンドラン。あまりに鮮やかで、監督からもめずらしく褒められたのをよく覚えている。
思い出せば、あれが始まりだ。鉄壁の二遊間、一・二番コンビ。最高の相棒。神様なんて全く信じちゃいないが、野球の神様だけはいると思う。おかげで出会うことができたから。
今では明け方に、その最高の相棒だった先輩の無防備な寝顔を、こっそり見ることだってできる。

fin.

190708
1 プリンシピオ(始まり、発端)リクエスト:くらりょ(もしくは倉持)
「走る」がキーワードだったのに入れ忘れたというか、最初は入れてたはずなんだけど推敲してたらいつのまにか消えてた。これはキーワード的に倉持くんを想起させるものだったからか2人からくらりょ指定もらいました(ありがとうございました)
走る、となると走塁関連のほうがいいかなと。伝説の二遊間コンビアライバが、実はいちばん印象的なプレーは守備ではなく走塁ということだったのでそれにも影響された。二遊間一二番コンビは最高。守備も攻撃もふたりでセットなところ、大好き。これ以降はタイトルの意味を調べたのでキーワード以外にタイトルも含めるようにした。

送信中です

×

※コメントは最大1000文字、5回まで送信できます

送信中です送信しました!