6.プリエール:祈り(指輪 気づく 横顔)/マサ静
外に出ようかと静弥を連れ出すと、拒絶はしないがひどく緊張するようだった。もちろん同じ危機感は持っている。しかし部屋にこもりそこでしかできないことに耽るのと、少しでも外に出るのとは、一体どちらが健全なのかと考えることもある。
それでも知り合いがいないであろうところまで車を走らせると、助手席でこわばっていた横顔は徐々に弛んでやたらと無防備になる。例えば信号待ちの隙に、キスできてしまう程度には。
「外ではやだって言ってるのに」
こちらの口元を手のひらで塞いで、しつけがなってないとぼやく。けだもの扱いしやがって。
「首輪でもつけたほうがいいんじゃないですか?」
じゃあかわりに、指輪でもつけてもらおうかな。見せびらかして、誰もが気づくように。
塞がれて言い返せないのでけだものらしく、べろりと手のひらを舐めてやった。こぼれた悲鳴に、外でよかったと思う。
fin.

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