「なんだ湊、まだ帰ってなかったのか」
「あ、マサさん」
「って、全員いるのか」
「マサさん! ねぇこれ読める?」
「オイ待てよ!」
「……カジカ?」
「正解!」
「すげー! さすがマサさん!」
「じゃあこれは?」
「待て待て、なんだこの魚へんクイズは」
「オレらのクラスで流行ってんの。そーいうアプリがあってさ、ちなみにいまマサさんが答えたやつはかっちゃんがわかんなかったやつね」
「七緒てめぇ!」
「残念だったね小野木」
「うるせぇ!」
「やっぱ静弥がいちばんかぁ。俺なんか鯛くらいしかわかんないよ」
「鰻とか、鮪もわかってただろ」
「でも湊はもっとわかってたし、俺がビリだったもん〜」
「じゃあ俺から静弥に問題出してもいいか?」
「おーっいいじゃん! 挑戦状だ〜!」
「……どうぞ」
「よし。魚へんに豊で?」
「ハモ」
「正解、じゃあ希望の希は?」
「カズノコ」
「正解。うーん、じゃあ喜ぶは?」
「キス」
「逆から読んだら?」
「? すき……あっ」
「はいご馳走さん。もう下校時間だろ、俺は鍵返してくるからお前らは早く帰れよー」
「えっ? 何いまの?!」
「遼平! ツッコんじゃダメだって!!」
『屈辱です』
『でもわざわざ連絡してくれるのな』
『絶対許しませんから』
『今度はふたりきりの時に言ってくれよ』
『言いません。嫌いです』
言わなくても、ふたりきりにはなってくれるってことだろうか。年下の恋人は、悪態すらもかわいらしい。それに言わせる方法なんて、いくらでもあるんだけどな。
fin.

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